近年、未就学児を対象にしたオンライン英会話が注目を集めています。
小学校での英語必修化や、グローバル社会への備えとして、幼児期から英語教育を意識するご家庭が増えてきました。
しかし、まだ読み書きもままならない小さな子どもに、オンラインでの英会話は本当に効果があるのか?どのくらいの頻度でレッスンを行えばいいのか?そもそも何歳から始めるのが良いのか?といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、子供(未就学児)のオンライン英会話をテーマに、教育現場での経験に基づいた視点から、「始めるタイミング」「レッスン頻度」「家庭との相性」などを記述していきたいと思います。
オンライン英会話は何歳から始めるのが良い?
結論から言うと、0歳頃からスタートすることは可能です。
もちろん、その際は英語の音やリズムに親しむ「インプット中心」のアプローチは始められますが、もしご家庭の教育方針として言語としてのやりとり(アウトプット)を目的とするなら、二語文を話し始める2歳以降からがよいのではないかと思います。
一方、未就学児は、まだ日本語も発展途上にあるため、英語を”外国語”ではなく”もうひとつの言語”として自然に吸収しやすい柔軟な時期です。特に、耳の感度や音声模倣能力が高い幼児期は、英語の正しい音やリズムを取り込むのに最適なタイミング。言語を「科目」として捉える前の時期だからこそ、楽しみながら身につけるスタイルが向いています。
ただし、年齢だけでなく個々の発達段階や性格も考慮することが重要です。じっと画面を見るのが苦手な子もいれば、先生と画面越しでもスムーズに会話ができる子もいます。そのため、年齢よりも「興味を持って参加できるかどうか」が一つの基準になります。
レッスン頻度はどれくらいが効果的?
「週に1回でいいのか?」「毎日やったほうがいいのか?」と悩まれるご家庭も多いですが、最も重要なのは毎日10分だけでもよいので、「継続できるかどうか」です。
インターナショナルスクールに入れて集中的に英語環境で取り組めば一気に聞き取りやお話もできるようになりますが、その後小学生になって英語環境から離れてしまえば、次第にお話するのが難しくなるお子さまも多くみられます。
また、週1度の英会話教室に通い、勉強としての英語はとても得意になったとしても、英語環境が日常的になければ、実践的なリスニング・スピーキング習得はハードルが高いかと思います。
また、それぞれのお子さんの得意不得意な分野があると思います。それを特定し鍛えることと、最終的には英語環境を日常に作っていき、継続させることがとても重要です。「おうち英語」で成功しているご家庭は、それがしっかりとなされていることが多いご様子です。
上記を踏まえ、理想的なレッスン頻度は、以下のように考えることができます。
各ご家庭の教育方針や、教育予算なども含め、参考になればと思います。
■ 隔週週1回/週1回:まずは習慣づけから始めたいご家庭向け
英語に触れる入り口としては十分。「英語力の習得」ではなく「英語への好奇心を育てる」ことが目的のご家庭には適しているかと思います。ただし、レッスンだけで英語力を大きく伸ばすのは難しいため、日常の中での英語環境(動画、絵本、親子の英語あそび)と組み合わせていく工夫が必要です。
英語をただ習うのではなく、工作をしながら英語を学ぶ、自分の好きな分野を学びながら英語を学ぶなど、このタイプのお教室が多い傾向です。目的としては早期から英語をツールとして自然に扱う姿勢・好奇心”を育むことであり、これは頻度よりも「質」や「体験のデザイン」に依存する部分が大きいです。
こうしたアプローチは、回数ではなく「印象の深さ」が記憶と学習に影響するといえるでしょう。
■ 週2〜3回:バランス良く英語を定着させたいご家庭向け
オンライン英会話として効果が出やすい頻度です。背景として、忘れる前に復習ができ、習った単語やフレーズを思い出しやすくなるからです。
子供にとって週2〜3回のレッスンは、学習の面において効果が出やすい頻度かと考えます。
理由は主に「間隔を空けた反復(spaced repetition)」の効果にあります。これは、新しい情報を一度に詰め込むのではなく、適切な時間を置いて繰り返すことで、記憶がより定着しやすくなるという心理学の定説です。
例えば、Ebbinghausが提唱した忘却曲線(Forgetting Curve)に基づき、3日おき・4日ごとの復習が最も効果的であることが広く報告されています。
さらに、4歳児を対象にした研究では、文法学習の効果が“間隔をおいた学習”によって大きく向上することが確認されています。これは言語習得において、短期間に集中して学ぶよりも、定期的に反復する方が習得スピードと定着力に優れることを示唆しています。
また、語彙学習におけるマスド(集中)学習よりも、分散学習(spaced learning)が長期記憶に優れているという研究もあり、オンラインレッスンの実践にも応用できる理論です 参照:ResearchGate。
特にお子さまの発話力を育むためには、習った単語やフレーズがすぐに出てくるようになる体験が重要です。週2〜3回という頻度は、「覚えて→使って→忘れて→また思い出して」を自然に繰り返す絶妙なリズムを作り出してくれます。
ただ、週2,3回受講すればいいのではなく、その環境を作り出してもらえるお教室・スクールを見つけられるとご希望に沿った結果が得やすいかと思います。
■ 毎日:英語を生活の一部にしたいご家庭向け
毎日レッスンを受けるスタイルは、バイリンガルを目指すご家庭や、短期間での英語上達を強く希望される場合に特に効果的だと考えます。言語を「生活の一部」として自然に取り入れる環境は、英語を学ぶというより「使う」ことを促進し、習得の深化につながります。
早期イマージョン教育では、子どもが5~6歳から英語による授業を受けることで、11歳にはほぼネイティブに近い言語運用能力を持つようになるという報告があります。これは、言語習得において早期かつ継続的な使用が極めて効果的であることの証明です。参照:ウィキペディア
実際の教育現場においても、デュアル言語・イマージョンプログラムを受講した児童は、標準テストにおいて同年代のモノリンガルを上回る成績を記録することが確認されています。
特に英語の読解力では、5年生時点で約7ヶ月分前倒しの成果を示すという調査結果もあり、日々の言語使用が成果の鍵であることがうかがえます。参照:Education Week
これらの知見から、毎日のレッスンを通じて英語を「習得」ではなく「自然に使えるもの」にしていく学びの形は、特に理にかなったアプローチだと言えるでしょう。
ただし、そのためにはお子さまの集中力を支え、柔軟に対応できるご家庭の体制も重要な要素となります。
ご家庭の教育方針や環境によって相性が変わる理由
オンライン英会話は非常に便利で効率的な学習方法ですが、すべての家庭に万能というわけではありません。子どもの性格・保護者のサポート環境・教育方針・家庭内の英語環境など、さまざまな要素によって、効果や相性は大きく異なります。
■ 教育方針が“自然体”か“目標志向”か
「英語は生活の中で自然に覚えさせたい」という方と、「受験や検定を見据えてしっかり教えたい」という方では、選ぶべきスクールや教材も変わってきます。ご家庭の方針とオンラインスクールのスタイルが合っているかを、事前にしっかり確認しましょう。
まとめ:大切なのは“始めること”より“続けること”
未就学児のオンライン英会話は、年齢・発達段階・家庭環境によって発話の変化の出方が異なります。
そのため、「何歳から始めるか」「どれくらいの頻度がいいか」といった一般論だけで判断するのではなく、お子さんの様子を見ながら、柔軟に試していくことが大切です。
幼児期の英語教育は、大人の英語教育とは異なり、成果が見えるまでに少し時間がかかるものです。
しかし、英語が「楽しい」「好き」と思える経験を積んだ子どもたちは、小学校以降もスムーズに英語に取り組めるようになります。
特に未就学児は心の安心が担保された状態、いわゆる親子で一緒に学び、楽しむ。それが、英語教育を“成功”に導く何よりの近道だと考えます。
※この記事はあくまで一般的な情報を提供することを目的としております。各ご家庭の教育方針や、お子様の状況に合わせご判断ください。
