共働きの「子育て・習い事」事情(未就学児編)

教育・子育て

学力の経済学」という書籍が話題となり、かれこれ数年たちましたが、それ以来幼児教室界隈ではその書籍に利用されているエビデンスを使っているのをよく見かけます。

幼児教育を推進していると、「そんな小さい時から教育は必要ない」「教育虐待」といわれることもしばしばございます。ですが、ヒトの土台を作る未就学児だからこそ丁寧な教育が必要だと感じ続けて活動しています。

この「学力の経済学」では幼児期への投資の費用対効果が高いとエビデンスにより証明されたということが書かれています。海外では国を挙げて幼児教育に力を入れているというニュースを最近よく聞くようになりました。確かに幼児教育の必要性を感じていますが「どんな教育をすればよいか」を本当はもっと多くの人が知らなくてはいけないのではないかと思います。

時折「早期教育は悪」などというトピックも見かけます。そのような議論がなされるのは、時に幼児の発達に合わないものを提供されている教育支援サービスが存在しているからだと思います。

ちなみに私が実践している未就学児の教育とは、しつけ、マナー、時間管理などを含めた子どもの発達・興味・関心に合わせた学びです。このヒトとしての土台を構築する時期にとことん好きなことをやり切った(とことん遊んだ)子どもたちは知らないことを知る楽しさ・学びの楽しさを知ることができるとともに自己肯定感がたかくなるため、きっと学ぶことがすきになり、学ぶことをやめない生涯学習者(Lifelong Learner)への道を進むのだと思っています。

子どもの将来への教育投資は重要です。しかし、ただお金をかけて習い事をすればいいというわけではありません。未就学児をもつ保護者たちは「丁寧に子供と向き合う」ことがとても重要だともいわれているのです。ですがこんな言葉をきいたら働く母親たちはプレッシャーでしかありませんね。

多忙な共働きの母親(ワーママ)たちの育児・教育事情

「丁寧に子どもと向き合う」そんなこと言われたって、そうしたいけど時間がなくできない!やってない人が無責任に言わないで!など、共働の母親側はさらにプレッシャーがかかります。

そのため仕事復帰する前の産休・育休にて幼児教育に力を入れる母親も以前と比較すると多くなっているのではないでしょうか。国内でも文部科学省が未就学児への幼児教育に関して言及するなど、幼児教育の重要性の理解などが深まっているため、今後幼児教育はもっと重要視されるものになるのではと思います。

ですが、それぞれの家庭の状況もありますので、それを加味したうえで誰でも子どもに丁寧に向き合える状況を作れるように考える必要があります。

なんでできないの?なんて言っているような人がいたらそこまでの苦労をしたことがなかった幸運な人かもしれません。両親の援助を全く受けられない子育て世代のご家庭と援助を受けられる子育て世代とでは状況が違ってきますし、同じ母子家庭でも両親の援助があるか、ないかでも変わってきます。やはりそれは当時者になってみないと本当の苦労を理解するのは難しいと思います。そのため、ここでは「自分で時間は作るもの」といわれてもなかなか自分の時間さえ取れない多忙な母親にフォーカスします。

そのような母親たちはどのようにして子どもたちの教育に関わっていけるのでしょうか?

まず最初に以下Connect-ed株式会社で実施した「子供の習い事」についての独自アンケート一部抜粋したものをご覧ください。

自分たちの生活費だけで精いっぱいですが、水泳だけはやっています。土曜日開講のクラスで送り迎えはパパの役目です。
(ママ:20代 子ども:3歳、5歳)

そもそも平日に習い事をさせるのが難しい。習い事は保育園が終わった小学生からでいいと考えています。最近は学校まで送迎してくれる塾もあるので、そういうサービスを利用したいと考えています。
(ママ:30代 子ども:4歳)

休日はこどもとゆっくりしたいし、車の運転もできません。なので、オンラインでの英語レッスンを受けさせています。これから小学校3・4年生から外国語活動が始まり、5・6年生では英語が通知表に成績がつけられるようになるので、英語の勉強を早いうちからゆっくり取り組んでおきたいと思っています。
(ママ:40代 子ども 保育園3歳)

忙しいからと言って習い事をさせていないわけではなく、忙しくとも何かしらの習い事をしているご家庭のケースです。

仕事の関係で平日の習い事の送り迎えは難しいから頼ることができる人にお願いしたり、習い事のサービスの中に送迎がある習い事を選んだりしてなんとかやりくりしているというのが共働き家庭の現状ではないでしょうか。

<参考>働く母親の年代によっても変わってくる教育への投資金額

収入に対する教育への投資金額・教育への意識も変わってきます。収入もまだ低い年代では教育投資の重要性をわかってはいるものの、なかなか自分たちが思い描くものに対しての投資が難しいとのこと。また年代が上がり、収入も増え、様々な経験を得た40代になると、比較的習い事の傾向や教育投資への金額も変わってくるのではないでしょうか。

次に働く母親と専業の主婦の方との比較をしてみたいと思います。

働く母親は専業主婦と同様の教育サポートができるのか

働く母親は専業主婦と同様の教育サポートができるのか」、これに関して時間的な資源だけでなく金銭的な資源この二つの側面が関係してきます。

自分の子どもには良い教育環境を与えたいと思っている保護者がほとんどだと思います。もしなにかに特別な興味を子どもが見つけることができたなら、「その才能を伸ばせるように最適な環境を与えたい。」そして今、興味を持つものがないなら、「たくさんの経験をさせて自分のやりたいことを見つけてもらいたい。」など、たくさんの経験をさせてあげたいと思っています。

そう考えたときに、時間的資源というものが圧倒的に足りないワーママはどのようにサポートできるのでしょうか。

共働き家庭が増えたという時代背景もあるせいか、最近、保護者の負担が少ない習い事が増えています。

・習い事を教えているシッター
・オンラインでの習い事
・会社の休みの日に開講しているスクール
・幼稚園や保育園にある課外活動習い事

などです。
負担が全くなくなるわけではないですが、限られた時間・条件であっても最近は種類も多くなってきたので、そのようなサービスを活用する手もあります。

子どもの力を伸ばす家庭学習について

習い事をしていたとしても、子どもの力を伸ばすためには家庭でのフォローも大事です。例えば周りの進捗に置いて行かれないようサポートしたり、その習い事を継続していきたいと思える意欲を継続させていく必要があります。

まだ独学で理解ができないことも多い幼児期であればなおさら親のサポートが必要です。仕事の帰宅後や休日を家庭学習にあてるのは子どもにとっても親にとっても負担になることもあると思います。

では、どんなことができるのかを考えてみます。

働く母親が育児・教育でサポートできること<未就学児編>

働く母親は仕事と家庭の両立をしなければならず、時間が制限されるため、時間的な観点からみた教育サポートが専業主婦と同様にできるかどうかは疑問が残ります。

しかし、現代の働く母親は多様な手段があります。それを活用することで子どもたちの教育を支援することができます。また未就学児の場合は少しの時間でも親が教育にかかわり、子どもに学びに対する良い影響を与えることができます。例えば以下のような方法があります。

  1. 絵本の読み聞かせ:母親が家にいる時間が少ない場合でも、寝る前などのちょっとした時間に絵本の読み聞かせをすることができます。絵本を通じて、言葉の発音や物語の理解力、想像力などを育くむことができます。
  2. 宿題のチェック:小学校に上がる前の年齢の子どもたちは、保育園や幼稚園などでプリントなどを配布されることがあります。母親が帰宅後、そのプリントを一緒に取り組み・チェックすることで、子どもたちの理解が深まりますし、親も子どもの理解を知ることができます。
  3. 一緒に遊びながら学ぶ:母親が家にいる時間が少ない場合でも、子どもたちと遊びながら学ぶことができます。例えば、キッチンセットで料理をしたり、お店屋さんごっこをしたり、レゴブロックで建物を作ったりすることができます。このようなコミュニケーションが取れるような遊びを通じて、社会性や創造性などを育てることができます。
  4. 親子での外出先での学び:週末や休暇などの時間を利用して、博物館や動物園、科学館などに外出することができます。外出先で子どもたちに話を聞き、観察、実験などをすることで、身体的な体験を通じて、学びを深めることができます。

以上のように、フルタイムで働く母親でも、絵本の読み聞かせや宿題のチェック、遊びを通じた学びや外出先での学びなど、未就学児の子どもたちの教育に十分に貢献することができます。

一方、たくさん習い事をしたとしても一番は子どもが楽しく継続できるかどうかです。例えば、公文がすごく楽しくて続けたいとお子さんがいったらどんどん進めていけばいいとおもいますし、もしくはプリント学習にはまだ関心がなく、水泳が好きであれば、それをしてもいいと思います。もしくはどの習い事もあまり続けたくないというようであれば、親子で遊びや体験を通じた学びを取り入れたりすればいいと思います。子どもの特徴や年齢・発達によって大きく変わります。だからこそ子どもの好きをみつけ、そこから派生する学びを継続的にサポートできれば十分なのではと思います。

家庭学習:コミュニケーションの方法について

働く母親が子どもたちに対して教育サポートを提供する上で重要なのは、コミュニケーションです。もちろんそんなことわかってるけど、という声が聞こえてきそうですが、ここではコミュニケーションの方法についてを考え整理してみます。

コミュニケーションの方法

コミュニケーションの方法として、以下のようなものがあります。

  • 毎日の会話の時間を作る:
    子どもたちと毎日会話する時間を作る。夕食の時間などを利用して一日の出来事や学校で学んだことについて話し合うことで、子どもたちの感情や思考を理解し、自分で考える力を育組むことができます。
  • 褒めることを大切にする:
    子どもたちは、保護者からの褒め言葉によって自信を持ち、よりよく学ぶことができます。子どもたちの成長(頑張ったことや成し遂げたこと)に対して褒めることを大切にすることで、他人との比較からではない自己肯定感が育まれます。
  • 学習に関する問題に対処する:
    子どもたちが学習に関する問題を抱えた場合はサポートをすることが必要です。子どもたちが理解できるように説明をしたり、一緒に問題を解いたりすることで、子どもたちは学習に対する苦手意識を克服することができます。
  • 質の高い時間を過ごす:
    子どもたちと過ごす時間を質の高いものにすることが重要です。仕事から帰宅して疲れている場合でも、子どもたちと一緒に過ごす時間を大切にしたいものです。この姿勢を親が子どもに見せることにより、子どもたちは、教育に対しても前向きに取り組むことができることや、保護者が自分たちを大切に思っていることを感じ、良好な親子の信頼関係にもつながります。
  • 学校とのコミュニケーションを大切にする:
    子どもたちが学校で学んだことや成績について、保護者が学校とコミュニケーションを取ることは非常に重要です。学校での出来事や問題点を把握することで、子どもたちに適切なサポートを提供することができます。
  • 学習環境を整える:
    子どもたちが遊んだり、学習する環境を整えることも重要です。例えば、静かな場所や机、本や文房具を準備しておくことで学習に集中することができるタイプにはそのように対応したり、またリビングでの学習の方がはかどる子どもいます。

時間や条件の制限があるかもしれませんが、未就学児の教育に関して多くの場合は、少しの時間でも子どもたちに質の高い教育サポートを提供することは可能だといえるのです。

働く母親が未就学児と丁寧に向き合う方法

  1. スケジュールの調整
    働く母親は、仕事と家庭の両立をするために、スケジュールの調整が必要です。子どもたちとの時間を優先し、仕事のスケジュールを調整することで、未就学児との丁寧な向き合いを実現することができます。また、休日や時間の余裕がある時には、子どもたちと一緒に過ごすことができるように計画することも重要です。
  2. 遊びを通じた教育
    未就学児には、遊びを通じた教育が有効です。働く母親は、子どもたちが楽しめるような遊びを提供することで、自然な形で学びを促すことができます。例えば、絵本を読んで物語の内容を語り合ったり、おもちゃを使って数の概念を教えたりすることができます。
  3. 家事を子どもたちと一緒に行う
    家事を子どもたちと一緒に行うことで、家族とのコミュニケーションを深めることができます。また、家事を通じて未就学児に責任感や協調性を身に付けさせることができます。
  4. プライベートな時間を確保する
    働く母親は自分自身がストレスを感じないようにすることも重要です。仕事や家事に追われてしまうと、未就学児と向き合う余裕がなくなってしまうことがあります。そのため、プライベートな時間を確保することで、自分自身のリフレッシュにつなげることができます。

未就学児と丁寧に向き合うためには、スケジュールの調整や遊びを通じた教育、家事を子どもたちと一緒に行うこと、そして丁寧に向き合うということは「心の余裕」も必要です。

共働きの母親にはなかなか厳しいものがありますが、プライベートな時間をできるだけ確保できるようにしたいものです。

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