親なら知っておきたい!小学校の英語必修化でどう変わる?

英語

英語必修化:英語はいつ必修教科となったの?

中学校の英語科が必修教科となったのは2002年。年度の学習指導要領改訂からといわれています。(なお正式名称は「外国語科」)

1947年から制度上は一貫して選択科目であり続けた英語科ですが、戦後長い間「事実上の必修科目」という状況が続いており、希望者だけが学べばよいという選択科目の本義は有名無実化していました。

その後、2002年の必修化に際し、中学校の英語教育現場にほとんど混乱は生じなかった。英語必修が既に事実上制度化されていたからこそ,必修化はきわめてスムースに達成されたのである。

このように「中学校では全ての生徒が英語を学ぶ」という状況は既に長い間根付いていたため「中学校英語の必修化は2002年」という事実を知らない方も多いのではないでしょうか。

小学生の英語はいつから?必修化の影響は?

文部科学省のホームページによると、2002年に改定された新学習指導要領において、小学校の外国語教育について「適宜実施する」と定められていました。その後、2009年に文部科学省は、「小学校において英語の必修化に向けた研究会」を設置し、小学校における外国語教育の在り方について検討を行いました。そして、2010年に文部科学省は、小学校における外国語教育の在り方について報告書をまとめ、その中で英語を小学校の必修科目にすることを提言しました。

その提言を受けて、2011年に新しい学習指導要領が制定され、小学校における英語教育が必修科目となりました。

英語必修化は、日本の国際競争力を高めるために、英語教育の重要性が再認識された結果として導入されました。また、国際社会でのコミュニケーションの必要性が高まっている背景も理由の一つなのではないでしょうか。

「英語必修化」って何?

「英語必修化」とは、日本の小学校教育において、英語が必修科目として取り入れられたことを指します。それまでは、小学校において英語を教えるかどうかは学校によって異なっていましたが、2011年からは全ての小学校で「外国語活動」として必修化され、年間35単位時間という授業時数が確保されるようになります。

2020年には3年生からに引き下げ、5、6年生で教科化されるようになり、小学3、4年生の時点で年間35単位時間の授業が割り当てられ、5、6年生では年間70時間確保され、成績にも反映されるようになりました。

英語必修化は、日本の国際競争力を高めるために英語教育の重要性が認識されており、国際社会でのコミュニケーションの必要性が高まっていることも理由の一つとされています。

外国語(英語)教育のカリキュラムも充実し、小学生の英語学習は、リスニングやスピーキング、リーディング、ライティングなどの4技能をバランスよく養うことを目的としています。

英語必修化は、日本の教育改革の一環として位置付けられ、小学校教育の中での英語学習が重要視されるようになったことを意味します。この取り組みにより、日本の子どもたちは、国際社会でのコミュニケーションに必要な英語力を身につけることができるようになると期待されています。

2020年からの小学校での英語の年間の授業時間、学習目標、授業内容については、文部科学省のホームページに詳細が掲載されています。以下に、その概要を紹介します。

小学校の英語教育 年間の授業時間

小学校における外国語教育の年間授業時間は、文部科学省の指導要領によって決められています。日本の小学校においては、外国語活動が必修となるのは2020年からで、それまでは任意の活動であったため、各学校によって異なる取り組みが行われていました。ただし、多くの学校では3年生から英語の授業が始まることが一般的です。2020年からの小学校での英語の年間の授業時間は、以下の通りです。

 3年生4年生5年生6年生
外国語活動3535  
外国語   7070
※参照:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/content/20210629-mxt_kyoiku01-000016453_4.pdf)

近年では外国語教育の重要性が高まっており、2年生から外国語活動を行う学校も増えてきているといわれています。ただし、必修科目になるのは5年生からです。

学習目標

外国語活動(小学3、4年生)

「外国語活動」としており、英語に触れる機会を通じて英語に対する興味を引き出し、英語に慣れ親しむことを目的としています。

外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,話すことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る素地となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

⑴ 外国語を通して,言語や文化について体験的に理解を深め,日本語と外国語との音声の違い等に気付くとともに,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しむようにする。
⑵ 身近で簡単な事柄について,外国語で聞いたり話したりして自分の考えや気持ちなどを伝え合う力の素地を養う。
⑶ 外国語を通して,言語やその背景にある文化に対する理解を深め,相手に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。

(引用元:小学校学習指導要領(平成29年告示)|文部科学省

外国語(小学5、6年生)

外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

⑴ 外国語の音声や文字,語彙,表現,文構造,言語の働きなどについて,日本語と外国語との違いに気付き,これらの知識を理解するとともに,読むこと,書くことに慣れ親しみ,聞くこと,読むこと,話すこと,書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身に付けるようにする。
⑵ コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身近で簡単な事柄について,聞いたり話したりするとともに,音声で十分に慣れ親しんだ外国語の語彙や基本的な表現を推測しながら読んだり,語順を意識しながら書いたりして,自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができる基礎的な力を養う。
⑶ 外国語の背景にある文化に対する理解を深め,他者に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。

(引用元:小学校学習指導要領(平成29年告示)|文部科学省

【授業内容】

小学校での英語の授業内容は、授業においては、英語を話す力を身につけることを目的として、英語の発音や聞き取り、そして実際に英語を使ってコミュニケーションを行うことが重視されます。また、リーディングやライティングなどの能力もバランスよく育成されます。教科書やワークブック、CD等を用いて、聞く・話す・読む・書くの4技能をバランスよく総合的に学びます。

小学校5年生からは英語が必修科目となり、授業では、日常会話や基本文法、リスニングやスピーキング、リーディングやライティングなど、幅広い英語力を身につけるための基礎を学びます。

また、国際理解につながる内容もあり、外国の文化や習慣、歴史や社会、環境や人権などを学び、多様な価値観を尊重することや、国際社会でのコミュニケーションの基礎を身につけます。授業の形式は、グループワークやプレゼンテーション、ディスカッションなど、アクティブに参加しながら学ぶことが中心となります。

英語の授業は、専任の英語教員が担当し、英語を話すことに重点を置いた授業が展開されます。教師が英語で指導を行い、生徒たちは英語でのコミュニケーションを通じて、英語の語彙や文法、発音などを学びます。また、グループワークやペアワーク、ロールプレイ、ゲームなどを取り入れ、楽しく英語を学ぶように工夫されています。

英語の授業では、生徒たちは英語を使って自分の意見を表現したり、相手の意見に共感したりするなど、コミュニケーション能力を伸ばすことも目的の一つです。また、海外の文化や習慣に触れることで、国際理解を深めることも重要な目的の一つです。

以上が、2020年からの小学校での英語の年間の授業時間、学習目標、授業内容についての概要でした。

参考
小学校学習指導要領(平成29年告示)|文部科学省
小学校学習指導要領新旧対照表|文部科学省
【外国語活動・外国語編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説|文部科学省
小学校外国語活動・外国語 研修ガイドブック|文部科学省

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