日本では文部科学省が、小学校からSTEAM教育の一部であるプログラミング学習を導入していますが、幼稚園・保育園でのSTEAM教育への取り組みは、今のところ特に定められていません。
(一部の私立幼稚園などで、自主的に取り入れているところもあります。)
でも実は、STEAM教育の考え方は、人としての土台が作られる未就学児にに習慣づけておくことがとても効果的であることがわかっていて、諸外国では幼児教育からSTEAM教育を取り入れている国が増えています。
STEAM 教育: 3 ~ 6 歳の STEM スキルの開発。
STEAM分野の仕事の範囲がますます拡大しています。現在はテクノロジーへの依存度が高まっているため、みなさまの子どもが学校を卒業したときには、今より多くの人がSTEAMのキャリアにたどり着く可能性が高いことは言うまでもありません。
したがって、幼い頃から科学、技術、工学、数学について子どもたちに知ってもらう(興味を持ってもらい学んでもらう)ことが重要ではないでしょうか。それにより、こどもたちは STEAMというものを学校の授業で初めてお目にかかるのではなく、学校で触れるまでの時間までに十分に把握でき、実際に学校でSTEAMに出会ったときに学びが深まります。
まだ新しいSTEAM教育の課題は、STEM 科目を取り上げた定型化された授業計画に子どもたちがうまく反応しないことやプログラミング教育がSTEAMだと思われがちな点です。そしてほとんどの学校では現在、これらの科目に集中する授業時間が設けられていますが、それだけではSTEAM教育を通してはぐくまれる課題設定・解決能力を培うのに十分ではないと考えます。
みなさまのお子さまが本当に優れた能力を発揮して成長するためには、自宅でも STEAM 科目に興味を持ってもらう必要があります。
以下は、自宅で 3 ~ 6 歳の STEAM スキルを開発するための最良の方法です。 それを毎日の適用可能な経験にする環境つくりも必要です。
日常の活動でSTEAM教育を「楽しく学ぶ」方法
私たちは、STEAM の科目について考えるとき、教科書から出てくるものだと考えてしまわないでしょうか。始める機会すら与えられておらず、興味関心もない状態で、いきなりそれを子供たちが受け止めなければならない時、そこから実践的な経験・知識を身に着けるのは非常に難しいといえます。
自宅での日常の活動の中で、 STEAM要素を導入する方法はたくさんあります。
例えば「買い物」は、子供にお金について学ばせるための方法の 1 つでもあります。また自分たちの大好きな食事を作るためには何が必要かなども実践的に知ることもできます。そして興味を持ってもらうことができたら、料理を手伝ってもらうことができます。科学と数字について子供たちに教える良い方法は、レシピを使って料理をするか、水が沸騰する理由、トーストが焼ける理由(ここで温度などにも触れられます)、氷とは何かを説明することで、本や勉強の世界から飛びだし、実践的な生活の中で体験し、理解をすることができるのです。
子どもたちの毎日の「これなに?」という興味や好奇心を見逃さないようにしてください。その質問にむきあうことで、子どもたちはさまざまな科目への健全な関心を育んでいけるのではないでしょうか。
まずは興味と楽しみからのスタート
これは小さなお子さんだけに限らず、小学校以降の子どもにも言えることですが、STEAMの 科目は、横断的な学びうえ、採点やその子供自身の伸びを計測するとが難しいと思われます。そして、各項目の中で少しでも苦手な分野が存在すると、プレッシャーや、もともと自分には向いていないとあきらめてしまう傾向にあるのではないでしょうか。
もし、学校であれば学業成績がその子の指標になってしまうため、自宅で成績のためのSTEAMを強制しないことは重要です。むしろ、お子さんに主題を楽しんでもらい、答えにたどり着くまでのプロセスを楽しんでもらうような「足場架け」をしてみてはいかがでしょうか。
正しく理解することがすべてではありません。 STEAM 科目は、見た目ほど難しいものである必要はありません。この科目への興味と楽しみを育むことができれば、お子様は学業で成功する可能性が高くなります。
また、子供に STEAM 活動を強要したり、間違えたときに叱責したりしないでください。
重要なことは、子供たちがそれを「試し、興味を示している」ことです。
子供たちは楽しんでいるときに最もよく学びます。そのため、STEAM 体験が子供にとって楽しいものであることを確認することが非常に重要です。これは様々な方法があります。
一例
日帰り旅行に参加する:
STEAM 教育を奨励する日帰り旅行に行く。博物館、プラネタリウム、動物園、自動車工場などの場所は、テーマについて学ぶことに興味を持ってもらうのに最適です。
実験・科学と技術の動画/ショーを見る:
実験・科学のショーは、STEAM のテーマに没頭するための素晴らしい方法です。実際に見に行くことがむずかしい場合は動画を見てみてください。きっと新しい発見や驚きに子どもたちは「わたしもやってみたい!」と、わくわくした顔であなたにいいだすかもしれません。
機械の組み立てや設置の時に一緒にやってみる:
新しいコンピューターが来た時、家具などの組み立て・設置などそんな貴重な機会があれば、是非子どもと一緒にやってみてはいかがでしょうか。子どもがいることで一筋縄ではいかないことの方が多いとは思いますが、「マニュアルを読んでもらう」、「その設計図をもとに組み立てる」など、完了までのプロセスを手伝ってもらいます(一緒に試してみます)。その組み立ての要員に入った子供たちはとても誇らしく、できるという自身をもち、このことにさらに興味を持たせることになるでしょう。
教育用ゲームで遊ぶ:子供たちはゲームが大好き。最近はSTEAM の発達を促す教育用ゲームもたくさんあります。テクノロジーに精通した年長の子供向け(Googleのコーディング アカデミーやゲーム)のものや、LEGO にはロボット工学とコーディング キットなどもあります。年少の子供には積み木や電車のゲームなどもSTEAM要素がはいっています。
そうかんがえると、未就学児だからSTEAMはできないということではなさそうです。
特にこの乳幼児の子供たちは STEAM キャリアに必要な土台のスキルを教えることに注力し、サポートしていくことがのちの学校生活でのSTEAMに大きな影響を与えるのではないかと感じます。お子さまの興味・好奇心の芽を逃さないようにして、STEAMの キャリアが支配する未来に向けて、子の土台を作る時期でもあり、ゆとりのある今の時期に早期に始めたらとても理想的だと思います。