近年、少子化が加速する一方、子ども1人にかける教育費(習い事やそのほかの経験など)の平均支出金額が年々上昇しているといわれています。
幼児からの習い事も昔と比べると、近年は充足されてきており多種多様。早期教育や、習い事の低年齢化もあり、乳幼児期から習い事をしている子もいますし、幼稚園に通っている子どもであれば、既に習い事を掛け持ちしている子もいます。
そんな中、乳幼児期の教育のなかにもモンテッソーリーと似ている教育で少しづつ認知されてきているのが「STEAM教育」。
まずSTEAM教育って何?という方は、まずは、以下のURLでご確認ください。
https://media.connect-ed.biz/steam_for_infant/#toc1
そして、「幼児がSTEAM教育?できるの?」と即座に思われていた方は、もうすでSTEAM教育のことをある程度ご存じの方かもしれません。また、STEAM教育は小中学生で習う理系教育というイメージをお持ちかもしれません。
そんな方たちへは以下をご確認いただきますと、そのイメージが変わるかもしれません。
https://media.connect-ed.biz/steam_for_infant/#toc4
実は、好奇心旺盛で様々な土台が作られるこの未就学の幼児だからこそ、STEAM教育のような実践的で、子どもたちのなぜ?の問いを自分たちで見つけることができる学びは相性がいいといえるのです。
STEAM教育とは?
STEAM教育のSTEAMとは、科学、技術、工学、芸術、および数学の頭字語です。これらの文字列だけをみると幼児がその各要素を勉強するということは、発達段階的に難しいのでは?と考えがちです。
ですが遊びや対話を通じてもSTEAMの基本的スキルと概念は身に着けることができます。
幼児たちの普段の活動をみてください。日常生活の中でも自分自身の疑問を解決するため、何度も同じことを繰り返したり、違うアプローチをしています。
「水遊び」を一例とすると
・蛇口をひねると水が出る。それを何度も行っている。
・流れる水をただただ触り続ける。
・お風呂の中の水面を何度も何度もたたいてみて、たたいた時の水の動きを観察する。
子どもたちの「なぜ?」を子ども自身で「こうすればこうなる」というような、自身の疑問の解決の糸口を自ら試し、見つけているかのような姿に見えます。
STEAM教育は理系教育というイメージがありますが、その年齢にあった適切な遊び・活動を通し、その年齢ならではの科学、技術、工学、芸術、数学を体感しています。幼児は机上の学習ではなく、遊びを通しての五感の体験が大切とよく聞きますが、この五感の体験に巻き込んだSTEAMの活動こそが、今後の学習のための土台(基盤)を作ります。
それこそ、この分野の体験を幼児期にしっかりしていれば「勉強嫌い」なんていう言葉もなくなり、世のお母さま方が子どもに「勉強しなさい!」なんて行くこともなるなるかもしれません。
子どもたちは好奇心にあふれています。学ぶことを渇望してます。この知的好奇心を大切に育んでいくために、子どもたちの年齢や成長のペースに合わせたSTEAM教育の足場架けが必要だと考えます。
幼児の特性と資質を配慮したSTEAMのアクティビティとは?
赤ちゃんや幼児の日々の行動を身近で見守っていると、じっと見つめ(観察し)、何かを発見し、試したり、色ついたシールを規則正しいパターンで並べたり・・・新しいものへの純粋な興味・好奇心にあふれたその行動。その姿は私たち大人にとっても非常に興味深く、学ぶことが多いと感じます。
幼児の特性・資質を配慮した、STEAMのアクティビティを考えてみましょう。
- 科学:
科学は実験や調査を伴う行為。それは、幼児たちの好奇心、調査、問題解決力を促進させます。
幼児は「なぜ?」という問いもできますが、私たちの問いに答えることも可能です。 - テクノロジー:
幼児が得た知識を応用することを指します。彼らは、クレヨン、定規やはさみなど・・・これらの基本的なツールを使用しながらそれぞれがもつ疑問や課題を解決していきます。 - エンジニアリング:
設計と構築に関係しています。構造と設計を実際時行うだけでなく、より良い解決策を発見するために試していきます。 - アート:
創造性とプロセス開発を行うだけでなく、コンセプトを理解することを可能にします。 - 数学:
数だけに限定されません。特に幼児にとっては、パターンや形状を見て作成する能力、およびグラフ作成や並べ替えなどの理解も培われます。
※以下ページではもう少し簡潔に説明してあります。
なぜ幼児期からSTEAMを学ばなければならないのか?
STEAM教育は、教えてもらうというよりも、自らが実際に考え、手を動かして学習することを重視しています。そして、その経験を通して自らがその物事を理解していると感じることを促すような教育ですので学びへの自己肯定感が高まるのではないでしょうか。そして、芸術や数学などの様々な分野を組み合わせることで、実践者のクリエイティブな思考力を養うこともできます。
幼児期は学習能力が最も高い時期であり、この時期にSTEAM教育を取り入れることで、将来的に理系科目への関心を高め、STEAM教育で学んだことを生かし将来のキャリア選択につなげることもできます。
STEAM教育は単なる流行語ではなく、これから注力していかなくてはいけない教育だと認識されています。そのため、より多くの人々がSTEAM教育についてもっと知る必要があるのではないかと考えます。
またSTEAM教育では、他の人と協力すること・忍耐力・勤勉さ・創造性・創意工夫などの非認知能力を培うことが可能です。
STEAM教育について知っておくべきこと:
STEAM教育は自ら考え実践する教育というところから、幼児であってもSTEAMの各科目においての基本的な概念を学ぶことは可能だといえます。科学、工学、技術、芸術、数学を幼児それぞれの発達・興味に適したSTEAMのスキルは育成することができます。
そこでの保護者や指導者の役割は、それぞれの年齢や理解に応じて適切な足場架けが必要となります。(ここがとても難しいところだと思います。)
おそらく、幼児にとってSTEAM教育の最も有益な側面の1つは、STEAMの活動で学んだスキルが実生活の多くの側面にわたって転送可能で有用であることではないでしょうか。
たとえば、課題解決スキルは、芸術、科学、数学のいずれかで学んだなどに関係なく、あらゆる分野や日常生活で使用できる基本的なスキルだったりもします。
STEAM関連の職業は今後も需要が高い?
こどもたちの未来のキャリアへの準備に備えるために
STEAM関連の仕事は、すでに需要が高い状態にありますが、今後、今の子どもたちが大人になったときにどのような選択肢があるのでしょうか?
科学、技術、工学、数学のスキルは基本的に備わっていなくてはいけないスキルになると思いませんか?だからこそ、私たち大人がSTEAM教育を幼児たちに教えなくてはいけないのではないかと使命を感じています。
日本においてもSTEAM教育は文部科学省にも推進されていますが、、、ということは、その分野は子どもたちの未来のキャリアへの準備に必要だと考えられているといえるのではないでしょうか。
21世紀型のスキルとして、創造力、協調性、問題解決能力などが挙げられていますが、これらのスキルは、将来の仕事において非常に重要だと考えられています。
そしてそれはSTEAM教育を受けることで、それらのスキルを身につけることができるのです。
今まで教育というと「誰かに教えてもらう」という受け身のイメージがありましたが、このSTEAM教育が浸透していくにしたがい、どんどん自らが学ぶという姿勢に変わっていくのではないかと予測しています。
今の日本の教育を悲観している人をみると、そんなに良くないのか?など惑わされますが、良い点はたくさんあります。
今までの日本の教育のよい点を引き継ぎながら、STEAM教育がきっかけでより多くの子どもたちが「学び」に対してより貪欲になって、勉強に対するイメージが「受け身」ではなく「自学自習」でもあり、「楽しい」と感じられるようになってほしいなと思います。
そして、私自身も教育の分野での貢献をもっともっとしていきたいと思っています。